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11.09.2010

キッズダンスを取り巻くオトナ②

で、結論として何が言いたいのかというと、世界の全体の七割は腐れオトナで、まともな感覚を持っていてそれをこどもたちに伝達しようとしているオトナは三割に満たないのだな、きっと。ということ。それは多分現代に始まったことではなく、ニンゲンが他の命を、食すること以外で蹂躙し始めた時からずっとずっとそうなのだな、としみじみと感じた。

先にも述べたように、ストリートダンスの世界は、まだまだ歴史が浅い。にもかかわらず、偉そうなオトナがはびこってしまっているのだ。もちろん、敬意を現したくなる、ステキなオトナもたくさんいる。後者のオトナ達が、ダンス界でノビノビと自由に活躍できるよう祈るばかりだ。

自分がオトナになり、オトナの目線でオトナを見ると、これほどまでみっともない生き物なのか、と愕然とする。そして改めて、わたしはわたしのオトナ道を歩いて行こうと、スッキリした気持ちにもなる。





この方と同居を始めて早3年。
この方に出会ってから、目に見える風景がものすごく変化した。
良い方にも。悪い方にも。

11.07.2010

キッズダンスを取り巻くオトナ①

…などと、もっともらしいタイトルをつけたところで、ただの愚痴な感じ。

二年前にあるコンテストに出場した際の、主催者の挨拶が非常に印象に残っている。「ダンスなんて、かつては【不良がやること】として括られて、世間的にダンサーなんてけむたらがられていた。でも、今は、こうやってたくさんのキッズがダンスを楽しんで、自分の技術を磨くために努めてくれている。だからこそ、保護者である親御さんにはルールを守ってもらいたい。会場内や会場回りにゴミを捨てたり…なんていう行為は絶対やめてほしい」…という主旨だった。加えて、自分たちは会場入りする時と出る時には、会場回りを清掃していると言っていた。わたしより10以上年下だろうこの代表の男の子が、とても立派に見えた。

こういう些細なことから、社会的な信頼は得ることができるのだろうし、それを失う時もまた然りだ。ストリートダンスの歴史はまだまだ浅い。学生の頃に踊り始めたヒト達がオトナになり、今、必死になって「社会的認知」を得ようと努力している。その姿や言動は、本当に清々しい。


夏にWがソロでエントリーしたコンテストで。最後表彰の際ににジャッジの総評があった。時間がかなり押しているにもかかわらず、彼等はしゃべるしゃべる。しかも、為になることならまだ許せたのだが、彼等の「総評」とやらを聞いてわたしはムカついてムカついて仕方がなかった。まず、とある有名ダンサーの発言で「アニメーションなんて【そんなもんですよ】」(アニメーションとはダンスの一形態)と言い放ちやがった。鼻っから上から目線でしか話さないそいつに客席から「お前何様のつもりだ」と叫んでやりたかった。本当に腹が立った。以前にも書いたが、わたしは偉そうな奴が大嫌いだ。更に、歴史が浅いストリートダンスの世界で、皆がその地位向上やら社会的貢献の点で頑張っている中で、こういう偉そうな奴がきっといろいろブチ壊すんだという所にまで思いが至り、未だに思い出すだけで、ネットで偶然そいつの顔を見るだけで、怒りが沸いて来る。そいつが、ジャッジショウで踊ったのだが、うまいけど、だから?というパフォーマンスでしかなかった。ジャバやポレオやクエストやビートやリクエストやらのパフォーマンス研究して出直してこい!!!!と、偉そうに説教の一つもしたくなる。
そして、他のジャッジも大したコメントは残さなかった。皆口を揃えて言うのは「あれこれやりすぎずに、ひとつに絞れ」みたいな内容のことだった。一理あるのだが、それを未来にたくさんの選択肢が揃っているキッズ達に押し売りするのは甚だ疑問だ。小学生に「算数だけやりなさい」とは、どんなバカオトナでも言わないだろう。それと同じだとわたしは解釈する。ジャズもやってロックもやって、ポップやワックもできて、更にはブレイクもできて…そういうダンサーの方が視野が狭くならずに全体を見渡せて、その上表現力も増すのではないかと考える。もし本当にひとつに絞るのなら、オトナになってからでも遅くはないのでは。例えば、ジャズピアニストでも、下敷きにクラシックピアノの経験があるプレイヤーの方が断然音色に深みがあると感じるし、楽器への愛も、音楽全体への愛もこちらに届いてくる。
とにかく、未来からの宝物であるこどもたちに、うすっぺらい偏狭な考え方を押し付けないでもらいたい。この子たちは、いずれあなた方を踏み台に羽ばたいていくのだ。飛び立つその羽根に、バカな細工を施さないでくれと言いたい。

9月。Wが参加したソロバトルのゲストショウで、中学生女の子二人が「mother ○ucker」という歌詞で中指立てた。わたしはフリーズした。で「サイテー」とつぶやいた。もし彼女たちが、その意味を知っていて、敢えて自分たちの意志でその振りを入れたのならば、それで不快な気持ちになるヒトがいることを承知で責任とってちゃんとケンカする腹積もりで演技していたなら、まだ許す。だって若者ってそういう生き物だからね。が。指導者がいて、意味伝達も正しく行わずにこの子らにこの振りを与えたのなら、わたしがこの指導者のオトナを糞扱いしてもなんら問題ないだろう。この件については、このイベントの主催者(実は一番最初に書いた男の子)に、モンスターペアレントばりに抗議した。こういうものが「かっこいい」と思っている奴が、未だにいるのな。恥ずかしい。というか、じゃあこどもらにやらせないで、自分でやれよ。頭にきて、会場を後にした。

11/3に開催された、有名なコンテストの東京予選。主催者の方がマナーの悪いオトナに憤慨していた。わたしはこの方の意見に激しく同意する。ストレートにその怒りをぶつけ問題提起している姿は美しく映り、非常に好感が持てる。

間もなくWは「キッズ」とか「ジュニア」とかいう部門から完全卒業となる。ここからが、いよいよ本番だ。わたしとしては、あまりでしゃばらないよう留意せねば。