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10.31.2009

この一か月のワタクシ

 ここで書くことをまるっきり放棄してしまっている。一所懸命に『何か』を書き連ねるには、それなりに時間と労力が割かれる。その時間がもったいなくて、書くことから離れていた。
 ならば何に時間を費やしていたのかというと、読書であった。一か月で10冊読んだ。全てフィクションで小説。全て日本の作家さん。ついでをいうと、全てN所有の本で彼女に「読め」と差し出されたもの。全ておもしろかった。
 年頭に立て続けに読んだ3冊の本が、あまりにも重く、極めて正しい内容の本なのにもかかわらず、精神的にへこたれそうになった。全てノンフィクション。おまけにハードカバー。物理的にも重かったわけだ。
 その後意図的に活字から離れた。文字から受ける打撃を避けたのだ。本をよみふけると、確実に簡単に現実逃避ができるのだが、いかんせん、こりゃ逃避しちゃいかんだろうという現実が次から次へと、眼前に現われてしまった…という事実もあったのだ。
 夏を過ぎたら、Wの入院日の心配以外に、こころを重くするような現実はわたしの目の前に現れなくなり、日々をゆるゆると過ごすようになっていた。
 そんな生温い感じの日常を継続するとある日、Nに「読め」と渡された本。宮部みゆきの「あかんべえ」だった。おもしろかった。一気に読んだ。そしてわたしの読書熱≒現実逃避が一気に噴出した。
 そこで気付いたこと。現実逃避ってば、厳しい何かに直面している時には案外できないものなのね。今みたいに、毎日が整然と進行していて、その進んで行く流れの中に身を任せてゆるゆるぬくぬくと生きている時のほうが、俄然したくなるものなのね。…要するに、悩まなきゃならなかったり、落ちてくる涙を拭うことすらできなかったり、無差別にニンゲンが憎らしく感じたり、という現実が存在しない日常は、『退屈』なんだな…苦笑…みたいな。こりゃあフィクションの世界を借りて、悩んだり泣くしかないじゃないか!なんたって、暇なんだから!
 しばらくは、読書バカ、このまま継続模様。今一番読みたい作家さんは、芥川。だがうちには一冊しかない。幸い、会社の近くに図書館あるんだな。今度行ってみよ。