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5.06.2009

これも、一種の試み

 えらくお世話になっているネコ保護ボランティアのHさんからのお願い。ずっと入院していた黒にゃんこ(未熟児、体に異常有)が無事退院するということで、預かりを頼まれた。Hさん直々のお願いを断る理由はなにひとつみつからない。ミケの一件で悲嘆に暮れていたわたしとNは、二つ返事でOKした。手前勝手ないかにもニンゲン的な発想(byもののけ姫、多分)なのだが、この預かりがミケへの弔いになるんではないか、と。…書きながら、やっぱり『いかにも』と感じ恥ずかしい。
 名前は「すべ」に決定。命名理由は省略。ヒントは「奇跡」。こいつ、本当に奇跡の子なのだ。先天性の奇形だったらしく、おしっこの出が悪いのでずっと膀胱炎を疑われていたのだが、あまりにも治りが悪いので膀胱造影をしたところ、お医者さんびっくりたまげた!なんと、膀胱のほかにもうひとつ「袋状」の何かがあったのだ。そこに尿が無駄にたまってしまうので、おしっこの出は悪く、炎症も治まらなかったということらしい。お世話になった獣医さんが目一杯手を尽くしてくれ、手術を経て、すべは無事生還し、現在我が家でぎゃーぎゃー鳴き喚いている。
 鳴き喚かれることには、ハハを通して慣れ切っているので全くもってノープロブレム。性格もとても良い。撫でられるの大好き、他のネコたちにも怖気ない、食欲旺盛、遊ぶのだいすき、…なんだが、くさい。非常にくさい。ありえないぐらいくさい。一人で動物園気取りなくらいくさい。何故かと言うと、おしっこうんちの調節がうまくできないらしく、頻繁におしっこしては挙句、その上でスヤスヤ眠っていたりするからだ。うんちは踏み潰し、体中うんこまみれ。ついたミドルネームは、ずばり「うんこ」。あぁぁぁぁ…貰い手は見つかるのか!うんこ!里親さん募集しています。地味に。いろいろ問題ある子なんだが。ほんっとに良い子なんだが。誰か、この子を終生愛してくれないだろうか。



動きがカント以上に異常にうにょくて、ぶれた写真しかない…のだ。

試み

 新たにユニットを結成してみる。本日はリハ兼練習。もっと完成度を上げていかねば。メンバーは橋本学、W、WのチームメイトのAちゃん。ドラムは輪郭、ダンスは色彩のイメージ。ステージを踏める日を目指してわたしもがんばろ。



5.02.2009

…やっちゃってから

 はや一ヶ月が過ぎた。実はこの2週間ほど、切なくやりきれない負のカオスに陥っていた。原因は言うまでもない、ネコ。それも外ネコのミケ。ミケはうちから出した地域ネコ第一号の子だった。うちの外に出ればいつでも会える、そういう子だった。
 4/21、仕事が終わりケータイを見ると、Nからの留守電。わたしが仕事中だとわかっていながらやつが留守電を残しているなんて、ただごとではないと瞬時に思った。留守電の内容は、「昼間ミケに会ったら、後ろ足をケガしており、それがどうにも酷い感じで、すぐに追っかけようとしたのだけど、他の馬鹿オスネコに邪魔されて捕獲できなかった」というものだった。焦る気持ちを抑えながら、Nに電話し詳細を聞いた。話を聞く限りでは、相当の重傷に感じられた。急いで帰宅する。
 その日は、夕方から生憎の雨。溢れそうな涙をこらえながら、Nと二人、夜の闇の中、ミケを探し回る。痛いだろうに、苦しいだろうに、お願いだから捕まって、そんな気持ちが体に満ちて気が狂いそうになっていた。ひとしきりミケのいそうな場所を探し回って、諦めてうちに戻る。
 翌日も仕事から帰ってから、探し回る。同じマンションで、ミケに寝床を提供してくれている方のお宅にも伺う。ハハぎうにうトカタを捕獲の際に知り合い仲良くなった、やはり同じマンションのおばちゃんにも一声かけておく。ミケを知るみんながみんな、昨日今日とミケの姿を見ていないと口を揃えて言う。焦る。
 更にその翌日、朝、市の清掃局に電話をする。ミケ柄のネコの死体を収容しなかったか…していない、と市。そして、近所の動物病院に電話をする。治療をしなかったか…同じく、していない、と病院。Nが最終目撃してから既に3日目に入っていたので、もし死んでしまったのなら死んでしまったという認識をきちんとしたくて、必死だった。その日も、夜、Nと近所をふらつき探し回る。

 そして今に至る。一度、NSさんから、Tさんという方が仕事に行く途中にミケに会って餌をあげた…、という情報が入ってきて、思わず喜んだ。が、今思うとそれはきっと違うミケ柄の子だったに違いない。なぜなら、4/29の朝、道の向こうを横切るミケ柄ネコを見つけて、ダッシュしてその子を確認しにいったのだが、違う子だった。ミケだけどミケじゃなかった。おまけに、早朝のいつもの餌場には、ミケは一度も現れていないのだから。
 姿を見なくなって既に、10日が経過してしまった。Nとわたしの中では、もうミケは星に帰ってしまったのだな、という強引な折り合いをつけてしまった。イヤだけど。そんなの絶対許せなくて、こうやって書きながらもナミダがこぼれるぐらい、イヤだけど。外に出て、かつてミケの姿を見かけたことのある場所を通ると、苦しくて。
 お姫様みたいな子だった。無愛想なわけではないが、決して媚びず、凛としていた。そしてとてつもなく美人だった。どうして、家にいれなかったんだろう。後悔してもしきれない。なんであの子だけ、外に出してしまったんだろう。ごめんね。ミケ。ごめんなさい。わたしのせいだよ。
 痛かったでしょう。苦しかったでしょう。わたしたちの前に出てきて助けを求めればよかったのに。きっとあなたのプライドがそうさせなかったんだね。あなたがいなくなったマンション界隈は、なんだか空っぽな感じがするよ。おばさんはね、外に出るたびにナミダが出てくるんだよ。こっちにもそっちにもあっちにも、あなたの姿はあったからね。今は外に出るたびにあなたの幻を追いかけているよ。そして、この街が大嫌いになったよ。あなたがいないこの街が。

 大分自分の中で整理がついたと思いしたためてみたのだが、なんだ、まだちっとも整理なんかついてなかった。つらいだけ。苦しいだけ。まだ自分はそんななんだと、認識せざるをえない。


 最後の目撃者になってしまったNの胸の内は、こちら